コミュニケーションの正解とは!

相手と話してみないと、相手の気持ちはわからない

不登校やひきこもりのご家族の
カウンセリングの中で、

「子供が家族と話をしないので、
 何を考えているのか、わかりません。
 
 石和さん、うちの子は
 いったい何を考えているのでしょうか?」 

という質問を、よくいただきます。

僕の答えはいつも決まっていて、

「お子さんと話してみないと、
 僕もさっぱりわかりません」

というものです。

(なんだ、当たり前じゃないか)
と思われるかもしれませんが、

じつはコミュニケーションの要点が
ここにあります。

「相手と話してみないと
 相手の気持ちはわからない」

こんな当たり前のことが、
実際には実行されていないのが
日本人のコミュニケーションなのです。

「察して感じ取る」のはコミュニケーションではない

これは日本人の文化の特徴、
長所による影響が大きいと思います。

以心伝心、言わずもがな、空気を読む、、、

私たち日本人は「人情の機微」を
察して感じ取る能力が優れていて、

気持ちを言葉にしなくても
相手を思いやる文化・習慣があります。

日本に旅行にきた外国人が
日本で体験する「オモテナシ」に
感激する話はたくさん聞きます。

しかし、この
「察して感じ取る」ことに
慣れすぎてしまうと、

「察して感じ取るのが当然」
という誤解を生むことになります。

「コミュニケーションとは
 相手の気持ちを察すること」 
だと勘違いしてしまうのです。

コミュニケーションは、
言葉によって成立しますから、
気持ちは言葉にしないと伝わりません。

察するだけでは、
気持ちがすれ違うのが当然です。
 

先ほどの親の方の質問でも、

「子供が家族と話をしないので、
 何を考えているのか、わかりません。
 
 石和さん、うちの子は
 いったい何を考えているのでしょうか?」

という考え方自体がすでに、

「子供と言葉で話をして気持ちを理解する」
 という行為を抜きにしている

のが
わかると思います。

「相手と話もしていないのに
 相手の気持ちを勝手に察しようとする」

こういった考え方をしている時点で、
親子でのコミュニケーションが
成立するはずがないのです。

コミュニケーションに正解はない!?

このような状況で、
僕が親の方に伝える言葉は
いつも決まっています。

「お子さんの考えを知りたいのなら
 まずはお子さんと話してみてください」
 
「でも、話してみても
子供が何を考えているのか、
わからないんです!」

「お子さんに
 『何を考えているのか話してほしい』
 と聞いてみたのですか?」

「いえ、聞いたことはありませんが…。
でも、きっと話してくれないと思います」

「親御さんがそう思っていること自体が、
 お子さんと話ができない理由ですよ。
 
 まずはお子さんに
 『何を考えているのか話してほしい』
 と話してください」

「そうすれば子供は気持ちを
話してくれますでしょうか?」

「それはわかりません。
 なぜならコミュニケーションに
 正解はありませんから。

 話して正解だったかどうかは、
 お子さんと話した結果を見てから
 一緒に考えましょう」

話してみないことには、
コミュニケーションもなにもありません。

コミュニケーションに正解はありません。
正しいコミュニケーションなどないのです。

とここまで書いておいて、

じつはコミュニケーションには
「正解」があります!(笑)

種明かしをすると、

「コミュニケーションをした」
 という結果自体が、
 じつは「正解」なのです。
 
相手の気持ちがわからない時は、

「あなたの気持ちを教えてほしい」

と、きちんと言葉にして
相手に伝えてみてくださいね。

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